私を探さないでください

旅に出ます。お願いです。私を探さないでください。

医薬品クライシス:佐藤健太郎著(新潮新書)

快著です。
創薬の世界が、手に取るように理解できます。
話の展開も軽快で、スムーズに読み進めることができました。

一つ一つのリスクを丹念に避けることが、回りまわって全体の利益を損なってしまう。
こうした現象は、製薬業界に限らず現在あちこちで起こっていることではないだろうか。
(第五章:遠のくゴール)

この指摘には、おおいに共感します。
著者のtwitterでは、このテーマでの著作も計画していると、つぶやかれていましたw


おわりにでは、深いテーマが提議されています。

しかし種としてみた場合、ガンを治してしまうのは
本当に人類に幸福をもたらすのだろうか

自分は、こう考えます。
「いのち」はすべてに優先する。
環境を壊そうが、アポトーシスがなかろうが、
最後にはいのちを守るように、
どうにかしてバランスを取る、
だから、いのちを優先する限り、
ガンは治していいのです。と。


一番の不幸は、人類がいのちを優先しなくなることです。