前作の考え方そのままに、
理論の補強と、例による補完が行われています。
あとがきにある下記の文章が印象的です。
戦後三十年あまりでこれだけの都市をつくってきた日本人であるから、
(中略)
かならずや現在のものより美しい生きがいのある
街並みを創りだす能力をもっていることも
間違いない事実であると思うのである。(中略)
もし読者がこの本を読んで景観や街並みに関心を深めていただければ
このうえもない喜びである。
そして、天橋立、厳島、然別湖などへ旅行したいと思ってくだされば
こんなうれしいことはない。
行ってみたくなります。
街並みの美学は30年前の著作です。
そのころ、大学で都市工学を専攻していました。
もしそのとき、この本に出会っていたら、
いまの自分はないのかもしれない、
そんな思いがこみ上げてくる本でした。