ソフトウエア開発プロジェクトのバイブル的存在です。
じっくり読んだのは初めてでしたが、間違いなく良書です。
この業界、20年間問題が変わっていないことを実感できます。
共感できるフレーズをいくつか引用します。
8章
『近代産業では、業種に関係なく、開発や設計をする人は
「残業しなくて人生なし」と信じ込んでいるきらいがある。
これは通常の就業時間である9時から5時までだけでは
全く仕事にならないということだ。』
17章
『ソフトウエア開発の分野では、書類を多く作成すればするほど問題が解決する
というおかしな考えに、10年間も踊らされ続けてきた。
(中略)
書類の山は災いをもたらすだけで、問題の解決にはならない。』
20章
『頭を使わないでどんどんドキュメントを作ることは、人間の能力の浪費である。
(中略)
ドキュメント屋には、成功するために何が何でもやるという気はないのである。』
23章
『リーダーシップ(業界のあこがれの言葉)という概念は、
いろんな人が尊敬の念を込めて使うが、
本書には、そんなものを取り上げるスペースはない。』
27章
『ジェリー・ワインバーグが言うには、
人は、期限通りに仕事をするために多くの残業をするのではなく、
仕事が期限どおりできそうもないことがわかったときに、
非難から身を守るためにそれをやるのだそうだ。』
30章
『呪文:変化への基本的な反応は、論理的なものではなく情緒的なものである。』
まったく潔い。